薬草としてのオーツ|ミルキーオーツとオーツストローの違いや収穫のタイミング

オーツ[Avena sativa]
オーツ[Avena sativa]メディカルハーブとして使える植物食用・飲用できる植物

我が家の庭にはオーツのちょっとした群生地があります。

そろそろ収穫どきかなとオーツについて調べていると、
「オーツには薬草として2つの使い方がある」ということを知りました。
それは「ミルキーオーツ(Milky Oats)」と「オーツストロー(Oatstraw)」。
収穫のタイミングや使用用途など、それぞれに違いがあるそうです。

今日は、自分の収穫の記録とともに、このふたつの違いや、使い方についてまとめてみようと思います。


オーツってどんな植物?

オーツ[Avena sativa]は、日本では「えん麦」とも呼ばれる植物で、もともとは穀物として知られています。
古くから海外では、ハーバルケアの素材としても親しまれてきたそうです。

用途に応じて、主に以下の2つの状態で収穫されることがあります:

🥛ミルキーオーツ(Milky Oats)

開花後、まだ種がしっかり固まる前の「ミルキーステージ(乳熟期)」の穂を指します。
この時期に穂を指でつぶすと、白い乳液のような汁がにじみ出てきます。
この成分に、神経系をやさしく整える働きがあるとされ、チンキ剤(アルコール抽出)などにして使います。

ミルキーオーツが日常で助けとなるタイミング
  • 神経の回復と再生
  • ストレス性の疲労や不安のケア
  • 情緒の揺らぎを落ち着かせる
  • 慢性的な神経疲労や「燃え尽き」状態に

🌾オーツストロー(Oatstraw)

オーツ収穫直後の様子(2025/05/27)

「ストロー」とは「わら(straw)」の意味で、オーツの青く柔らかい茎葉を乾燥させたものです。
ミネラルを豊富に含み、ハーブティーやバスハーブなどとして用いられます。
神経や骨、皮膚の健康をサポートする目的で、長く親しまれてきたハーブです。

オーツストローが日常で助けとなるタイミング
  • カルシウムやマグネシウムなどのミネラル補給
  • 神経の安定、筋肉の緊張緩和
  • 慢性的なストレスに対するレジリエンスを高める
  • 美肌や髪へのサポート(外用も◎)

それぞれの特徴まとめ

特徴ミルキーオーツオーツストロー
収穫部位穂(種が乳白液を出す時期)茎と葉(種が熟した後)
見た目穂の部分のみ。
新鮮なものは乳白液が出る。
細長い茎や葉が混じる。
淡い緑〜わら色。
香りフレッシュな青い香り
(生の場合)
穏やかな草の香り、
干し草のような感じ
主な利用法チンキ、浸剤(ティー)ティー、浸剤、入浴など

収穫のコツ|タイミング・手順・時間帯

我が家の庭のオーツの群生地(2025/05/27)

ハーブとしてのオーツを扱ううえで、収穫のタイミングや手順、時間帯はとても大切です。
来年の自分のためのメモも兼ねて、ここに書き残しておきます。

🥛ミルキーオーツとしての収穫

  • 事前チェック
    収穫の適期
    • 穂の中の種子が“乳白色の液”を含んでいる「ミルキーステージ」のとき。
    • 指でやさしく押すと白い液がにじむ状態が目安。
    • この時期はごく短く、1つの穂で2〜3日、全体で1週間〜10日ほどしかないとの情報も。
  • 収穫の時間帯
    収穫に適した時間帯
    • 晴れた日の朝露が乾いてから午前中に収穫するのがベスト。
    • あまり日が高くならないうちに。高温になると精油成分などが揮発しやすいため。
  • 収穫!!
    収穫方法
    • 穂の部分だけを、ハサミでやさしく切り取る。
    • なるべく短時間で作業し、すぐにチンキなどに加工する(鮮度が大切)。
  • 加工
    使用方法
    • 主にチンキとして。神経系を穏やかに支えるハーブとされる。
    少量ですが、ミルキーオーツをホワイトリカーに漬け込みました(2025/05/27)
    花かごめ
    花かごめ

    精神的なストレス・疲労・心の摩耗を感じるときに使えるのだそうです。

🌾オーツストローとしての収穫

  • 事前チェック
    収穫の適期
    • 穂が実り、ミルキーステージを過ぎた後。
    • 穂が硬くなりつつあるが、茎葉がまだ青い時期がベスト!
      → 穂が黄金色に完全に熟す前(乳液が出なくなってから1〜2週間以内が目安)
  • 収穫の時間帯
    収穫に適した時間帯
    • こちらも朝露が乾いた後の午前中がおすすめ。
    • 茎や葉が湿っていると乾燥時にカビやすいため、湿度の低いタイミングを選ぶ。
  • 収穫!!
    収穫方法
    • 根元から10〜20cmほどの高さで茎を刈る。
    • 穂・葉・茎を分けて乾燥しても良いし、そのまま束ねて乾燥させることもできる。
      →穂を取り除かず、「オーツストロー(葉・茎)+穂」として使うことも可能です。ハーブティーなどの使用時に、見た目や風味に少し違いが出ます。
    高さを残す理由
    1. 泥やゴミが混じるのを防ぐ
      • 地際ギリギリで刈ると、汚れや虫、カビのリスクが高まります。
    2. 再生の可能性を残す
      • オーツは一度きりで終わることもありますが、少しでも葉や節を残すと脇芽が出ることがあります(特に春まきの場合)。
      • 再び葉を伸ばし、2番刈り的な収穫ができる場合も。
    3. 収穫後の根の整理や片付けがしやすい
      • 残した茎でつかみやすくなるため、後々の撤去がラク。
    食品用乾燥機で乾燥させる場合の手順
    1. 穂・葉・茎に仕分ける時にを10〜20cmほどの長さにカット(トレーのサイズに合わせて)
    2. トレーに重ならないように均一に並べ
    3. 設定温度は、低温長時間(35〜40℃で8〜12時間前後)を目安に
      • 途中で上下入れ替えるとベター
    4. 乾いたら密閉容器で保存(シリカゲルと一緒に)
  • 加工
    使用方法
    • 乾燥させてハーブティーや浸出油(インフューズドオイル)に。
    • やさしく神経をサポートし、心身の疲労回復を助ける目的で使われる。

おわりに|今回の収穫と今後の自分へのメモ

こんなことをゆっくりと調べながら、天気予報を確認してみると、
どうやら明日の夜に降る雨を皮切りに、
今週いっぱいは曇天の予報だったので、
翌日、オーツの収穫作業をしました。

朝、畑に出て、オーツの状態をひとつひとつ観察してみたところ、
どうやらほとんどの穂は「ミルキーステージ」の時期を過ぎてしまっていました。

そのため、今回はオーツストローとしての収穫がメインに。
地際20cmほどの場所で刈り取り、
穂と茎葉を分け、カットし、食品用乾燥機にセッティングしました。

しかし、仕分け作業をしているときに、
ほんの数本だけ、まだミルキーステージの穂が残っているのを見つけました。
指でつぶすと、ちゃんと白い汁がにじみ出てきたのです。

うれしくなって、その数本だけをミルキーオーツとしてチンキに漬け込みました。
今年はなんとか、どちらも楽しめそうです☺️


最後に、来年用のメモを残して締めようと思います。

✍️来年用のメモ /
  • ミルキーオーツとして収穫したい場合、収穫時期を見逃さないよう、穂が出てから毎日観察する
  • 収穫は雨の日や湿度が高い日は避け、乾燥した晴れの日を狙う。
  • ミルキーオーツを収穫する場合、チンキづくり用のアルコール(35%以上)を事前に準備しておくと慌てない。
  • オーツストロー用に乾燥スペースを確保しておくとスムーズ。

この記事が、誰かがオーツを扱う時のヒントになりますように!

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
良いハーバルライフを〜🌸

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