ディルの育て方と特徴

植物

この記事では、ディル(Anethum graveolens)の育て方と特徴について解説します。

管理人RouRou
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ディルは料理にてジャンル問わず活躍するハーブです。最近はスーパーでも見かけるようになりましたが、やはり自分で育てた採れたて新鮮なディルを使った料理は至福です🌸

茶乃木@花籠

某大学農学部で学び、今は100種類以上の植物を育ててます💐「花籠」にてハーブ苗を中心に生産したり、ハーブ・アロマ雑貨を制作し、委託販売させていただいてます🧺 webサイト「花籠別館」では、植物について、育て方から活用の方法、歴史、魔術的なパワーまで幅広く執筆更新中。月・木の更新を目指してます💪

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ディルの基本データと特徴

ディル/イノンド(Dill[Anethum graveolens])

生物分類:セリ科イノンド属
育ち方:一年草
草丈:70~100cm
原産地:地中海地方・西アジア
主な用途:料理
使用部位:葉(食用ハーブ)・種(スパイス)

素朴でありながら優美で繊細な印象をもたらすハーブ

ディルとは?

ディル(Anethum graveolensは、独特の香りと風味で知られるハーブの一種です。セリ科の1年草で、地中海地方や西アジアが原産になります。

ディルといえば料理の風味づけで有名ですが、ディルの活躍は食卓だけではなく、植物そのものの見た目も優雅で、お庭で育てると空間に繊細なで優美な印象をもたらし、私たちを楽しませてくれます。

風に揺れる繊細な姿が美しい

ディルは繊細な印象を持たせる羽状の葉と、黄色い小さな花が特徴的です。

草丈は高く、約70~100cmほどに成長します。そのため、風に揺れる様がよく分かり、優美です

またその高さを生かして、花壇の後方に配置するとお庭に立体感が出ますよ。

爽やかでほのかに甘味のあるハーブ調の香りを生かして

料理の風味を豊かにするハーブ

ディルの最大の魅力は、その爽やかでほのかに甘い香りです。
この香りは、料理に深みと風味を加えるのに最適で、実際には北欧や中東料理を始め、多くの伝統料理などで活躍しています。

料理での活躍の幅広さ

ディルは、その独特の香りと風味で、驚くほど幅広い料理に活用できる万能ハーブです。料理のジャンルを問わず、様々な場面で大活躍してくれます。

まず、魚料理との相性は抜群です。それから肉料理、野菜料理、卵料理、イタリアン、ギリシャ料理、ロシア料理…と数を挙げればキリがないほどです。またティーなどドリンクにも使えます。

RouRou
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ディルの葉を使った魚料理はとても美味しいです!臭みがなくなり、お料理に高級感が出て、世界中で愛されているのも納得!な味に仕上がります。

「ディルウィード」と「ディルシード」

ディルの使用部位は葉と種す。

羽のような細く繊細な葉は、「ディルウィード」と呼ばれ、爽やかで軽い甘みがあり、また草らしい爽やかな香りをもたらします。
明るい茶色の種子は、「ディルシード」と呼ばれ柑橘系の甘みとほろ苦さを併せ持つ香り高いスパイスとして使用されます。

その他活用方法のアイデア

また料理以外にもディルの活用法には、さまざまなアイデアがあります。

ディルの様々な活用方法
  • ドアに吊るして飾ったりドライにした葉や種をサシェにする
    • ディルには守護のパワーがあると信じられていました。家族への守護を願ってサシェを置いたり、ドアに飾ったりすることがあったようです
  • お風呂に入れて香りを楽しむ

またディルがたくさん種をつけることにあやかろうと、金運アップを願うのに使用されたり、性欲を刺激しようと利用された歴史もあるそうです。

ディルといえば料理での活躍が目立ちますが、興味がありましたらサシェづくりやハーブバスなども楽しんでみてくださいね。

ディルの育て方

ディルは、爽やかな香りと使い勝手の良さで、多くの人に愛されているハーブです。新鮮なディルの葉を使った美味しい一皿を実現させるためにも、実際に育ててみることをオススメします!
直根性であることなどポイントを押さえれば育てるのにそれほど難しい植物ではありませんので、チャレンジしてみてください。

ディル(Dill[Anethum graveolens])栽培カレンダー

101112
種まき
植付け
冬越し
支・摘20↑20↑20↑20↑20↑
追肥2w12w12w12w1
開花
収穫L*20↑20↑20↑20↑
収穫S**
*Leaf=葉っぱ **Seed=種 *時期については地域差もありますので、あくまで目安になります。
種まき時期:3〜5、9中〜10月
植え付け時期:4〜6、10〜11月
開花時期:5〜7月
霜:秋蒔きの場合、霜に注意。
支柱と摘心:草丈20cmほどになったら支柱を。その際、摘心もすると○。
追肥:成長してきたら追肥を2週間〜月に1度、薄めの液肥を。
収穫(葉):草丈20cmほどから葉の収穫OK。
収穫(種):花が咲いて2~3週間後。種の色が茶色っぽくなったら。

生育環境

ディルは日当たりの良い場所を好みます。また、風通しの良い場所も重要です。風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。
温度は15~25度くらいが理想的です。寒さには弱いので、秋まきの場合は霜対策も忘れずにしておきましょう。 

水やり

土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、鉢底から水が流れ出るまでしっかりと浸透させましょう。ただし、過湿は根腐れの原因となるので注意が必要です。

土と肥料

排水性の良い土を使用することが重要です。ディルは根腐れしやすいので、水がたまりやすい土は避けてください。肥料は成長してきたら(春以降)2週間〜月に1回程度、液体肥料を薄めて与えると良いでしょう。

支柱と摘心

収穫[葉・種]

葉の保存について

収穫した葉は、すぐに使うのがベストですが、保存もできます
新鮮なディルの葉は、湿らせたペーパータオルに包んで冷蔵庫で保存すると、1週間ほど持ちます。また、細かく刻んで氷製の小さな容器に入れ、水やオリーブオイルを注いで冷凍保存すれば、数ヶ月間使用できます。

増やし方[種まき]

種まきの時期

種まきの時期は春(3〜5月)または秋(9月中旬〜10月)になります。発芽適温は20℃前後になります。

秋まきの方が大きく育ちますし、葉の収穫期も長くなりますので秋まきの方がオススメです。

種まきの方法

ディルは直根性ですので、できれば直まきがベストでなのですが、ポットまきにて育苗して植え付けるのでも十分に育ってくれます。ただし植え付けの際に根を痛めないように気をつけましょう。

種まきの手順:直まき
  1. まず土の状態を確認し、整えます。排水性の良い土を好むので、そのような環境に整えてあげてください。
  2. 種をまく場所に、1cm弱の深さの溝を作ります。
  3. 先ほど作った溝に2〜3cm間隔で種をまきます。
    • この時、種が重ならないように気をつけましょう
  4. 種をまいたら、薄く土をかぶせて、軽く押さえます。
  5. 優しく水やりするので種まき完了です。 
種まきの手順:ポットまき
  1. 種まき用の培養土をポットに充填します。
  2. 1ポット3〜5粒になるように種をまきます。
    • この時、種が重ならないように気をつけましょう
  3. 種をまいたら、薄く土をかぶせて、軽く押さえます。
  4. 優しく水やりするので種まき完了です。

発芽まで10日〜2週間ほどかかります。この間、土が乾かないよう注意しましょう。

発芽後・間引き

発芽後、ポットまきの場合は、本葉が2~3枚になった頃に1ポット1本にします。
そして本葉が6~7枚になった頃に苗同士の間隔が15〜20cm程度になるように植え付けます。

直まきの場合は本葉が6~7枚になる頃に苗同士の間隔が15〜20cm程度になるように間引きましょう。

植え付け

植え付けの適期は4~6、10~11月です。畑に植えたり、プランターにて管理することもできます。
ディルは直根性ですので、植え付けの際は根を痛めないように十分に注意してください。

また同じセリ科であるフェンネルの側には植えないようにしましょう。この2種は他家受粉してしまい、種の味が悪くなってしまいます。

「花籠」でのディルの育苗方法

苗の生産・販売をしている『花籠』では、秋、セルトレイに種をまき、間引き後にポットに植え付けて管理しています。そのまま冬はポットで管理をして、春の植え付け適期に花壇に植え付けをし、育てています。

管理人RouRou
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私の経験上、植え付け時に根を崩さずに痛めないように気をつけて植え付ければ、無事に大きく育ってくれますよ。

最後に

今回はディル(Anethum graveolens)の育て方と活用のコツについてご紹介しました。

ディルは、爽やかな香りと使い勝手の良さで、多くの人に愛されているハーブです。その歴史も長く、遡れば聖書や古代エジプトの時代から始まり、現在では世界中の食卓で親しまれています。

ディルを育てて、その魅力を存分に楽しみましょう。特に自分で育てたディルを料理に使うの喜びは格別です!
ぜひ挑戦してみてくださいね。

また、ディルについて質問や、実際に育ててみた感想などありましたらコメントください

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵なハーバルライフを!

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