今回はマリファナ(大麻)[Cannabis spp.]について調べたものをざっくりとまとめてみました。
マリファナについて調べようと思ったきっかけ

今まででも本ブログ内にてよく登場している本である『ハーバルタロット タロットで占うハーブのメッセージ(マイケル・ティエラ著/安珠訳)』の中に、10 of Cupsの対応でマリファナが登場します。
これまで私にとってマリファナとは『禁忌で、情報としても触れてはいけない植物だ』という印象がありました。ので、当然ながらマリファナについて、漠然としたイメージだけで、実際には何も知りませんでした。しかしそれでは、マイケル氏の解釈を深めることができず、イマイチこのタロットにおける10 of Cupsを理解することができません。
このことをきっかけに“虎穴に入らずんば虎子を得ず!”の気持ちでマリファナについて学んでみることにしました。
本記事はそれらの情報をまとめたものとなっており、あくまでもマリファナ(大麻)について植物として知り、象徴的な意味を考察したい人向けの記事となっています。
マリファナ(大麻)について調べてみた
──基本となる情報をざっくりと紹介
基本となる情報をざっくりとまとめてみました。より詳しく知りたい方は私が参考にした動画をこちらにてまとめていますので、そちらをご覧くださいね。
基本情報
マリファナ(大麻[Cannabis spp. ])は、アサ科に属する植物で、主にCannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalisの3種類があります。歴史的・文化的背景、化学成分、用途によって多面的な価値を持つ植物です。




おそらく小型種

特徴
成分
主な化学成分はTHC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)です。
作用 | 違法合法 (2025/01/10現在) | |
THC | 精神作用(陶酔感)を引き起こします。[興奮] | 違法成分 |
CBD | リラックスや抗炎症作用があり、精神作用はほとんどないとされています。[鎮静] | THCが規定の割合が以下の場合合法 |
用途
マリファナには大きく3つの用途があります。
医療 | 疼痛緩和、食欲増進、不安の軽減などの効果で利用されます。 例えば小児てんかんなどの、大麻でなければ治療が困難な病も存在するそうです。 |
産業 | 繊維や建材、食品に活用されます(産業用ヘンプ)。 |
娯楽 | 一部の国や地域で嗜好品として合法化されています。 |
歴史
古代から世界各地で薬用や宗教的儀式に利用されてきた植物です。
日本では主に産業用大麻として扱われ、特に神道とも関係が深い植物であるとされていました。
現代では法規制や医療利用を巡り議論が続いています。
注意点
多くの国で栽培や使用が法律で規制されています。
日本では大麻取締法により厳しく規制されていますが、産業用ヘンプの限定的な利用は許可されている場合もあります。
スピリチュアルな特性
では本題であるハーバルタロットでの解釈を見ていきましょう。
象徴的解釈
ハーバルタロット

バルタロット(マイケル・ティエラ著/安珠訳)で、マリファナ[Cannabis sativa ]は 10 of Cups に対応します。
至福の感覚。 喜びを見つけたときの感覚を養い、認識する。よりネガティブで妄想的で、怠惰で、そして非現実的な幻想が示されるだろう。 今は精神的な執着を解放し、新しい光の中の背負い込む責任の負担の暗示を調査する時。実現不可能なこと。[魚座の火星]
このキーワードの中で、私は初見で読んだ際、一部ピンとこなかったので、理解を深めるためにマリファナについても調べながら考えてみました。
喜びを見つけたときの感覚を養い、認識する。
ハーバルタロット タロットで占うハーブのメッセージ(マイケル・ティエラ著/安珠訳)
上記はキーワードの中でもさらに一部抜粋したものです。
ここから考えていきます。
まず本書で指定されているマリファナの種=カンナビス・サティバ[Cannabis sativa ]はカンナビス属の中で代表的とされている3種のうちの1種です1。サティバ種[C. sativa ]は他の代表種2種と比較して、覚醒のパワーが強いと言われています。

ここで言う覚醒とは、例えば、[視界がいつもより明晰に、色は鮮やかに見える][いつもより音がはっきり聞こえる]など、すなわち「感覚が鋭くなる」といった類のことを指します。
私自身は、生まれも育ちも戦後日本ですので、当たり前にマリファナ使ったことありません。ので、マリファナから得られる[覚醒の]感覚を説明することはできないのですが、思い返してみると[視界がいつもより明晰に、色は鮮やかに見える]という体験はしたことがあります。
それは音楽療法を採用している心療内科にてお世話になっていた頃でした。音楽療法との相性が良かったのか、その日診療所から外に出た時、普段から見ている風景が色鮮やかに見えて、「こんなにも世界には色が溢れているのか!」と感動した記憶があります。ただし、その感覚はそんなには長くは続かきませんでした、
ですがその感覚と感動はしっかりと覚えていて、今でも思い出せるほどです。
つまりここでマイケル氏は、10 of Cupsのメッセージの1つとして「今は至福の時だが、それは常に続くものではない。だからこそ、今のその至福感をしっかりと味わい、その至福感を覚えておくように」、ということを伝えているのではと解釈しています。
ではさらに続きを見ていきます。
よりネガティブで妄想的で、怠惰で、そして非現実的な幻想が示されるだろう。 今は精神的な執着を解放し、新しい光の中の背負い込む責任の負担の暗示を調査する時。
ハーバルタロット タロットで占うハーブのメッセージ(マイケル・ティエラ著/安珠訳)
先程見ていった、[覚醒による至福の感覚]は、一体どこから来ているものでしょうか?
例えば私が体験した感動と感覚は、音楽療法がもたらしたものでした。
ではその感覚を求めて、現実の何もかもを無視してそれに執着するのは、いかが考えますか?
それもまたその人の生き方で、ダメだとか悪いということはないのですが、それは[真の至福]とは言い難いのではないでしょうか?それは[非現実的]で[精神的な執着]です2。
特にこのカードに対応する植物であるマリファナ(特にカンナビス・サティバ[Cannabis sativa ])は、現実を無視して執着していまう副作用=中毒性がある植物です。

お酒やタバコよりも依存性は低いとの研究結果が出てはいるのですが、特にカンナビス・サティバ[C. sativa ]はTHCを多く含むため、中毒性がある品種になります。
このことから、つまりこの引用文でマイケル氏は「[真の至福]とは妄想などの現実から離れたところで得られるものではなく、真の至福は[現実にあるもの]だからして、もしも現実にある至福ではなく、不安定なエセ至福に囚われているのであれば、今現在に目覚めなさい」と、注意喚起をしているように思いました。
最後に──参考動画と内容の要約
ここまでお読みくださりありがとうございました。以下に今回参考にした動画をまとめて紹介しています。
参考動画一覧
大麻の研究者だけど質問ある? | Tech Support | WIRED Japan(2023/05/02)
マリファナ(大麻)の研究者であるアンバー・ワイズ氏が、大麻についてのさまざまな質問に答える動画です。大麻の科学的な側面について、さまざまなトピックが取り上げられています。
質問内容が私たち日本人には(基本的には)存在しない、マリファナを接種したことのある人たちの視点での質問だったのが興味深くもありました。
【大麻の歴史】世界中で大麻がどれだけ実用的な植物だったのか?(2021/07/10)
世界中で大麻がどのように活躍してきたのか、その歴史を知ることのできる動画です。大麻についてざっくりと知ることができます。
医療大麻のお医者さんだけど質問ある? | Tech Support | WIRED Japan(2024/04/20)
医療大麻を専門とする医師、正孝裕二氏が、医療大麻に関する質問に答えている動画です。医療大麻の科学的な側面について、わかりやすく解説されています。また、大麻に関する誤解や疑問についても、科学的な視点から解明されています。
医療用大麻解禁へ 厚労省が方向性まとめる(2022年9月30日)(2022/09/30)
厚生労働省が医療用大麻の解禁に向けて方針をまとめたことが報じられています。
【大麻「使用」も禁止に】改正法が施行…医療分野では認可も “法の抜け穴”存在ナゼ「ゲートウエードラッグ」でもカジュアル化?(2024/12/13)
日本における大麻取締法の改正について取り上げています。これまでは大麻の所持と栽培が禁止されていましたが、2024年12月12日から使用についても禁止となったことが報じられてます。
大麻取締法改正と使用罪について解説します(2024/09/26)
グリーンゾーンジャパンの正隆氏が、2024年12月12日から施行されるタイ取締法の改正について解説しています。
大麻についてX(Twitter)に投稿すると逮捕されるって本当?麻薬特例法を徹底解説(2024/10/23)
グリーンゾーンジャパンの正隆氏が、ラッパーの逮捕事件をきっかけに、麻薬特例法について解説しています。
【大麻①】危険ドラッグや大麻から自分の身を守るための授業(2019/10/13)
中田敦彦さんが、危険ドラッグや大麻について、その危険性や合法化の動向を解説しています。
【大麻②】麻薬から自分の身を守るための授業!日本の大麻合法化はどうなる?(2019/10/14)
中田敦彦さんが、日本の大麻をめぐる歴史、現状、そして世界的な大麻合法化の動向について、多角的に考察しています。
違法薬物のはず?全国でわずか10軒ほど…大麻を栽培する人たち(2023/10/28)
三重県南伊勢町で合法的に大麻を栽培している農家を取材しています。日本では古くから大麻が神聖な植物として扱われ、神社のしめ縄や御札に使われてきたという歴史があります。現在では大麻取締法により、現在では全国でわずか10軒ほどしか栽培されていません。
合法的に栽培された大麻の茎から繊維を取り出し、縄や布などに加工する様子や、地元の企業が食品への活用を模索する様子などが紹介されています。
マリファナ(大麻)[Cannabis spp. ]は、歴史的・文化的背景、化学成分、用途によって本当に多面的な価値を持つ植物です。また法規制されているようなセンシティブな植物はいろいろありますが、その中でも群を抜いてセンシティブな植物ではないでしょうか。
日本でも法改正が進められ、安定的な状況にありませんが、これからこの植物がどのように扱われていくのか見守っていこうと思います。
そして改めてですが
本サイト「花籠」や「花籠情報館」では決して責任を負えませんので、悪しからずご了承願います。
ハーバルタロット: タロットで占うハーブのメッセージ
・恋愛・仕事・健康
人生の混乱を乗り越える助けとして
ハーブは、身体と精神をやさしく癒します。78枚のタロットカードにより導かれるハーブのエネルギーが、あなたの人生のガイドとなり、内外の世界を探求する助言を与えます。
脚注
- Cannabis属の分類について、ここでは3種のうちの1種だとお伝えしましたが、学術的には、Cannabis属は1つの種(Cannabis sativa)であり、その下にその他2種:インディカやルデラリスなどの亜種がある とする意見もあります。一方で、これらをそれぞれ別種とする分類もあるそうです。
<1種説>
• Cannabis sativa を唯一の種とし、インディカ や ルデラリス をその変種や亜種とみなす。
• 理由: これら3つの形態は交配可能であり、遺伝的に非常に近い。
<3種説>
• サティバ、インディカ、ルデラリスをそれぞれ別種とみなす。
• 理由: 地域ごとの適応や形態、化学成分の違いが顕著。
マイケル氏がどちらを説を想定し、10 of Cupsに対して[Cannabis sativa ]を当てたのかは、本書では言及されていませんでした。(また本書が発刊された2006年にはどちらの説も既に存在し、議論の対象となっていたようです。)
よって本記事での本項においては、3種説を前提に紹介しましたが、それは解釈に大きな違いがないものの、不確定の前提であることをご理解ください。 ↩︎ - 音楽療法を否定しているのではありません。
私自身、音楽や音楽療法は大好きです!加えて、音楽療法による処置には本当に助けれらました。音楽療法家に、縁があるのであればなってみたいと思うほど、この療法の力とこの療法が研究されていることがありがたいです。
ここでは分かりやすくお伝えするために、記事全体の中でとっかかりやすいものとしてこのように挙げているに過ぎませんので、どうかご理解願います。 ↩︎