この記事では、 ボリジ[Borago officinalis]の育て方と特徴について解説します。
ボリジは、比較的育てやすい一年草で、青い星形の花が特徴的です。
料理のデコレーションに重宝されたりハーブティーとしても使用されます。またお庭に取り入れると素朴でエレガントな印象を与えてくれる魅力的なハーブとなってくれて、とても魅力的なハーブですよ。
ボリジの基本データと特徴
ボリジ/ルリジサ(Borage[Borago officinalis])
生物分類:ムラサキ科ルリジサ属 |
育ち方: 一年草 |
草丈:30〜70cm |
原産地:地中海地方(アレッポ周辺) |
主な用途:料理・ティー |
使用部位:花・葉 |
景観におけるローレルの魅力
ボリジとは?
ボリジ[Borago officinalis]は、青い星形の花が特徴のハーブで、「スターフラワー」とも呼ばれます。地中海地方・アレッポ周辺が原産ですが、 長い間に野生化して、今では世界各地で自生しています。ムラサキ科の一年草です。
エディブルフラワーとして
葉や花が食用可能で、サラダ、スープ、デザート、カクテルのガーニッシュ(デコレーション)などに利用されます。
ボリジの花にはハチミツのような軽い甘みが、葉にはとキュウリに似たほのかな風味があります。このため、味に重さを加えずさっぱりとしたアクセントを加えることができ、料理の邪魔をせずに楽しめます。特に花は、数少ない青い食材として重宝されてます。
「勇気のハーブ」
ボリジは古くから不安感を取り除き、ポジティブな気持ちにするハーブとして使用されていました。
古代ローマやギリシャで「勇気のハーブ」と呼ばれ、精神の安定や勇気を与えると信じられてきました。また、ローマの植物学者プリニウスは“喜びをもたらすもの”と呼びました。人々の心を励まし、幸福な気分にしてくれたからです。ホメロスはボリジのことを悲しみを忘れさせるハーブだと考えていました。
摂取には料理に使用するのはもちろん、お酒に浮かべたりハーブティーとして飲むこともできます。
その他活用方法のアイデア
ボリジの活用法には、料理やティーの他にもさまざまあります。
お庭や畑でのボリジ
景観植物としての魅力[エレガント・可愛らしさ・素朴]
ボリジは、その特徴的な青い星形の花と葉や茎にある白い毛の印象とが相まって、空間に素朴な可愛らしさと青空を連想させる爽やかさの両方の印象をもたらします。さらに白や淡いピンクの花と合わせると、優しく可愛らしい雰囲気を演出してくれます。
青色の花のボリジが一般的ですが、白花のボリジも存在します。
白花ボリジはよりエレガントで繊細な印象をもたらしてくれて、ホワイトガーデンにぜひお勧めできるしたいです。英国のシシングハースト城のホワイトガーデンに植えられていることでも有名ですよ。
ボリジは、草丈がおよそ約60~90cmと比較的高めになるため、背丈の低い植物と組み合わせて植えると庭に立体感が生まれます。前面・中間・背面と花壇を区切るのであれば、前面〜中間が個人的にお勧めになります。
コンパニオンプランツとして
ボリジは、 かぼちゃ、ほうれん草、アブラナ科の植物、いちご、トマトなどの野菜と相性が良いコンパニオンプランツです。これらの作物の成長を助け、病害虫の被害を抑えます。
またボリジの花はミツバチや蝶を引き寄せるので、庭の生態系を豊かにし、他の植物の受粉を助ける効果もあります。特に、菜園や果樹の近くに植えると、受粉の効率が上がり、収穫量アップにもつながる可能性があります。
ボリジの育て方
ボリジ/ルリジサ(Borage[Borago officinalis])
栽培カレンダー
種まき時期:9中〜10中、3下〜5(寒冷地の場合は春まきに) |
植え付け時期:4中〜5、10月 |
開花時期:4〜6月 |
切り戻し:梅雨前に行うことで蒸れて枯れるのを防ぐ。 |
施肥:春〜開花期に液肥を。また植え付け時に元肥として緩効性肥料を与える。 |
収穫(葉):通年収穫可能。 |
収穫(花):開花時に花首から摘み取る。 |
生育環境
ボリジは日当たりの良い場所を好みます。半日陰でもある程度は育ちますが、花数が減る場合があります。
また、風通しの良い場所も重要です。株同士の間隔をあけて植えたり、梅雨前には混み合ったところを適宜刈り込んで風通しを確保しましょう。
冬越し
耐寒性があり、霜が降りる前に発芽した若い株もある程度の寒さには耐えられます。寒さに強いので、戸外で越冬できます。気になる場合は霜除けをしましょう。
寒冷地では、秋植えや秋まきを避けて、春に植え付けを行うか、種から育てる場合も春まきが良いとされています。
水やり
ボリジは比較的乾燥に強い植物です。土の表面が乾いたら水を与えるようにしますが、高温多湿を嫌うので、水の与え過ぎに注意し、乾燥気味に育てましょう。
土壌環境
ボリジは排水性が良く、栄養が豊富な土壌を好みます。適度に有機質が含まれた土壌がベストです。植え付け前にコンポストや腐葉土を少量混ぜ込むと良いでしょう。しかしボリジは養分を多く必要としないため、肥沃な土でなくとも問題なく育ちます。
植え付け
植え付けの適した時期は春(4月中旬〜5月)または秋(10月)です。移植を嫌うので、日当たりと水はけの良い適地に植え付けます。
肥料
植え付け時に元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込みます。
追肥は、春〜開花期に窒素分が多い液肥を数回にわたって与えると、株の成長を促します。ただし与え過ぎには気をつけましょう。
切り戻し[梅雨前]
高温多湿の時期は、刈り込んで風通しを良くしましょう。株がよく茂ると風通しが悪くなって株が蒸れて葉が枯れることがあります。
収穫[葉・茎・花]
ボリジは地上部(葉、茎、花)を収穫して活用することができますので、収穫期は4月〜9月になります。
葉の収穫適期と方法
葉は適宜収穫が可能です。
ボリジを傷めずに収穫するために、収穫時には清潔な剪定ばさみを使用しましょう。しっかり育っている株を選びます。また収穫の際、一度に全ての葉を摘み取らず、植物の成長を妨げないよう注意します。
乾燥させるときは、葉を一枚づつ広げて乾燥させます。風通しの良い日陰で1〜2週間ほど乾燥させましょう。完全に乾燥したら、葉がパリッとして簡単に砕ける状態になります。
花の収穫適期と方法
花は開花時に花首の部分から摘み取ります。短い間しか咲かないので、きれいな色の時を見計らって収穫すると良いでしょう。
花はドライには向かないので、フレッシュなものをその都度摘んで使います。
ボリジの葉や茎には小さな毛があり、触るとチクチクすることがあるので、収穫時には手袋を着用すると安全です。
増やし方[種まき]
種まきの時期
種まきの適期は3月下旬〜5月、9月中旬〜10月中旬です。
種まきの方法
種まきの方法は、ポットにまく方法と直まきとがあります。
適切な環境下では、1〜2週間程度で発芽が始まります。この間、土が乾かないよう注意しましょう。
発芽後・間引き
発芽後、ポットまきの場合は、本葉が2~3枚になった頃に1ポット1本にします。
直まきであれば、成長したときに窮屈にならず、風通しも良くなるように、本葉が2~3枚になった頃に株間が15~30cmほどになるように間引きましょう。最終的に1株あたり30~50cmの間隔を確保できるように間引きます。
こぼれ種について
ボリジは自家播種(自然に種が落ちて増えること)する性質があり、放置しても繁殖しよく自然発芽しやすい植物です。一度植えた後も、種がこぼれた場所から自然に発芽することがあるので、数年にわたって楽しむことができます。
もし翌年の自然発芽を抑えたいなら、花後こまめに花柄を摘むことで、種が飛び散るのを防ぎましょう。
最後に
今回はボリジ/ルリジサ(Borage[Borago officinalis])の特徴と育て方についてご紹介しました。
ボリジについて質問や、実際に育ててみた感想などありましたら、気軽にコメントくださいね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵なハーバルライフを!
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