この記事では、 ローレル[Laurus nobilis]の育て方と特徴について解説します。
ローレルはハーブの中でも身近な植物でよく活用される植物ではないでしょうか。
活用例としては、「料理のスパイス」として活用するのと、「シンボル」として活用するのと、この2つが代表的です。
ローレルの基本データと特徴
ローレル/ゲッケイジュ(Bay laurel[Laurus nobilis])
生物分類:クスノキ科ゲッケイジュ属 |
育ち方:常緑広葉樹 |
草丈:3〜9m |
原産地:地中海沿岸(南欧) |
主な用途:料理・芳香・バス |
使用部位:葉 |
ローレルとは?
ローレル[Laurus nobilis]は、地中海沿岸が原産のクスノキ科の常緑高木です。乾燥させた葉が料理によく使われ、また葉と枝でリース状に編まれた月桂樹の冠も有名です。
ローレルには流通している名称がたくさんあり、月桂樹(ゲッケイジュ)、ローリエ、ベイなどの名称でも呼ばれています。ちなみにですが、「ローレル」や「ベイ」は英語から、「ローリエ」はフランス語からきている呼び名となります。
景観におけるローレルの魅力
光沢のある深い緑色の葉が景観にメリハリをもたらす
ローレルは常緑樹であり、1年を通して緑豊かな葉を楽しむことができます。その光沢のある深い緑色の葉は、庭の景観を引き締め、他の植物とのバランスを取る役割を果たします。また、剪定によって樹形を整えることができるため、自然な雰囲気からフォーマルな庭まで、さまざまなデザインに調和します。
またローレルは育つと高さ2〜3mにまで成長するため、プライバシーを守りたいエリアや風除けが必要な場所に植えると効果的です。生垣として利用することもでき、目隠しや風を和らげる役割を果たしながら、香り豊かな空間を提供してくれます。
原産地や環境の適するところでは、順調に育てると樹高9〜12mにもなる中高木でもありますので、剪定は適宜行うことをお勧めします。
「勝利」や「栄光」を象徴する木
ローレルは古代ギリシャやローマ時代からシンボルとしても重要な役割を果たしてきました。月桂樹の冠(ローレル・クラウン)は、「勝利」や「栄光」の象徴として王や英雄、スポーツ選手などに与えられました。この栄誉の象徴は、今でも「栄冠を手にする」という表現に見られるように、勝利を祝う言葉として残っています。
そのような意味を持つことから、ローレルを庭のシンボルツリーとして植え込むのも良い選択でしょう。家の入口や庭の中心に植えることで、エレガントさを持った意味のある庭の象徴を作ることができます。
「勝利」や「栄光」の願いを生活に取り入れるアイデア
ローレルの力を取り入れるのに、庭木として育てる以外にも以下のアイデアがあります。
食事の味わいを豊かにするハーブ
スパイシーで甘い香りが魅力的
ローレルは、料理に欠かせないハーブの一つで、料理には葉を乾燥させたものを使用します。
特に、ヨーロッパや地中海料理で愛されており、日本でも煮込み料理やスープ、シチューなどの、肉や魚、野菜をじっくり煮込む料理によく使われます。例えば、スープやシチュー、ミートソースなどに加えることで、臭みを消して、素材の風味を引き立てます。
胃腸を整える力
ローレルには、消化促進や胃腸の健康をサポートする働きがあるとされています。古代からハーブ療法にも用いられてきました。胃もたれを感じたときには、ローリエを使ったハーブティーが胃を整えてくれることもあります。また、抗酸化作用も期待できるため、健康維持にも役立つ植物です。
その他活用方法のアイデア
また料理以外にもローレルの活用法には、さまざまなアイデアがあります。
ローレルの育て方
ローレル/ゲッケイジュ(Bay laurel[Laurus nobilis])
栽培カレンダー
植え付け時期:3〜4、9〜10月(3〜4月は植替えも適する) |
開花時期:4下〜5月 |
剪定:春〜初夏が最も剪定に適しているが、軽い剪定なら冬を除き通年OK。樹形が乱れ次第剪定を行う。 |
施肥:年に2回ほど緩効性肥料(油粕など)を。夏は8月頃、冬は2月頃に。植え付け時も、土に緩効性肥料を混ぜ込むようにする。 |
収穫(葉):通年収穫可能。若葉よりも昨年以前の葉を収穫する。 |
生育環境
ローレルは日当たりの良い場所を好みます。半日陰でも育てられますが、葉がより濃い緑色に成長するためには、直射日光が数時間当たる環境が理想的です。
また、風通しの良い場所も重要です。風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。
冬越し[寒冷地]
耐寒性は普通で、寒さにはある程度耐えますが、東北地方以北などの寒冷地では、冬の乾いた風に当てないようにしましょう。特に−5℃以下になる場合は、防寒対策が必要です。
鉢植えの場合は、冬は室内に取り込むか、寒風を避ける場所に移動します。地植えの場合は、根元にマルチングを施し、幹を覆うことで保護します。
水やり
ローレルは比較的乾燥に強い植物ですが、若木のうちは定期的に水やりが必要です。特に乾燥が続く時期には、土が乾燥しすぎないように注意しましょう。
成熟した木は乾燥にも耐えられますが、根が乾燥しすぎると葉が黄色くなったり、落葉したりすることがあります。
土壌環境
排水性の良い土を使用しましょう。土壌が湿りすぎると根腐れを起こすことがあるため、植え付け時には腐葉土や砂を混ぜ排水性を高めましょう。
植え付け・植替え
植え付けの適した時期は春(3〜4月)または秋(9〜10月)です。この時期は根が活発に成長するため、新しい環境に定着しやすくなります。気温が安定しているため、暑さや寒さによるストレスを避けることができます。
また植え替えの場合は、成長期に入る前の春(3〜4月)が最適となります。特に鉢植えの場合は、1〜2年に一度、根詰まりを防ぐために植え替えを行いましょう。
肥料
肥料は冬と夏に緩効性の肥料を施すと良いでしょう。
成長期には、特に窒素分の多い肥料を与えると葉の色が良くなります。
また植え付け時に元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込みます。
剪定
ローレルは剪定に強い植物です。成長が早く、大きく育つので、適宜剪定を行い、形を整えたり、密生しすぎた枝を間引いたりすることが大切になります。
剪定の時期は春〜初夏(3〜5月中旬)が適していますが、成長期以外でも軽い剪定は可能です。
特に春〜初夏の剪定では、樹冠内の日当たりと風通しを良くするようにやや強めの剪定をしましょう。
収穫[葉・茎・花]
ローレルの葉は、年間を通じていつでも収穫可能です。新鮮な葉をそのまま使うことも、乾燥させて保存することもできます。料理やハーブティーとして利用する他、アロマテラピーや防虫効果もあります。
乾燥方法
乾燥させる場合は、収穫した茎を小束にまとめ、風通しの良い日陰に吊るして乾燥させましょう。目安は1〜2週間です。
完全に乾燥したら、茎から葉を取り外し、密閉容器に入れ、暗所で保存します。
最後に
今回はローレル/ゲッケイジュ(Bay laurel[Laurus nobilis])の特徴と育て方についてご紹介しました。
ローレルについて質問や、実際に育ててみた感想などありましたら、気軽にコメントくださいね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵なハーバルライフを!
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