この記事では、 エルダーフラワー/セイヨウニワトコ(Elder[Sambucus nigura])の育て方と特徴について解説します。
日常で見かけるエルダーフラワーといえば、IKEAのドリンクバーにエルダーフラワーサイダーがありますのをご存知でしょうか?エルダーの花や実はマスカットのような香りや味わいを生かして、デザートや飲料としても利用されます。
また、ハリー・ポッターシリーズには「ニワトコの杖」が登場しますが、それはその「Elder Wands」を指しています。このように、エルダーには魔術的なパワーとの関連が深くあります。
今回はそんなエルダーについて、一緒に見ていきましょう!
エルダーフラワーの基本データと特徴
エルダーフラワー/セイヨウニワトコ(Elder[Sambucus nigura])
生物分類:スイカズラ(レンプクソウ)科ニワトコ属 |
育ち方:落葉低木〜小高木 |
草丈:2〜10m |
原産地:地中海沿岸、ヨーロッパ、アジア西部、アフリカ北部 |
主な用途:料理・ティー・殺虫剤・守護 |
使用部位:葉*、花、果実 |
エルダーフラワーってどんな植物?
多くの薬効が知られ、庭木ともされる植物です。
ヨーロッパ、アジア西部、アフリカ北部原産の落葉低木あるいは小高木で、高さ2〜10mになります。薬効のある成分を多く含み、古くエジプト文明の時代から民間薬とされてきました。ヨーロッパでは「田舎の薬箱」と呼ばれ、木を丸ごと活用されてきた歴史があります。
半日陰でも育ち、やや湿り気のある場所を好みますが、多湿になると根腐れしやすいので注意しょう。
6〜7月に星型の薄黄色がかった白い子花を複散房花状につけます。秋に光沢のある果実が黒紫色に熟します。
守護を司ることで親しまれてきた木
守護を司る木
エルダーは、主にヨーロッパで古くから庭木として親しまれてきましたが、花の美しさだけではなく、その背景には「守護を司る木」として神秘的で特別な意味を持つことが関係していたようです。
「守護の力」の中でも特に、エルダーの木は「魔除け」の力があるとされ、悪霊や災厄を退けると信じられていました。例えば、家の近くにエルダーを植えることで、家族を守り、不幸を遠ざけるおまじないとされたようです。また、エルダーの枝は護符や杖としても使用されました。
ケルトやゲルマンの文化においては、家族や家を守る護り手として崇められていたとともに、「エルダーの木には精霊が宿る」と信じられていました。この木を切る際には、精霊に許しを請う祈りを捧げたとも伝えられています。
「守護」の力を生活に取り入れるアイデア
エルダーの守護の力は、庭木として育てる以外にも以下のアイデアがあります。
「田舎の薬箱」と呼ばれるハーブ
多くの薬効を持つ
エルダーは、内用にも外用にも利用されてきました。健康やリラックス、また虫除けとしても活躍するハーブとして知られています。
その他エルダーの利用方法
デザートや飲み物などに
エルダーには、鑑賞・守護・薬箱として利用される以外にも、花や実のマスカットのような香りや味わいを生かして、デザートや飲料としても利用されます。
魔法のツールとして[守護][変容]
エルダーは、魔女やシャーマンの儀式でも使われ、「守護」や「変容」のエネルギーを引き出すためのツールとしても扱われました。特にエルダーの木から作られた杖は、魔術師にとって強力な道具とされ、儀式で守護を求める際に使用されたと伝えられています。
また「変化を引き出す」だけではなく、「変容の時を守護する」植物としても扱われ、変化の時に心を落ち着かせて過ごせるように守護したり、古いものを手放しやすくするよう、執着を解消するしたりするのを助けると信じられてきました。
またこの「変容」のパワーに転じて、「若返り」の力もあるとされてきたようです。
エルダーフラワーの育て方
エルダーフラワー/セイヨウニワトコ(Elder[Sambucus nigura])
栽培カレンダー
植え付け時期:3〜4、9〜10月 |
開花時期:5〜6月 |
剪定:休眠期に枯れ枝や樹形を乱す枝を剪定。風通しがよくなるように。 |
施肥:植え付け後3年ほどのみ。春と秋に緩効性肥料(油粕など)を。 |
収穫(花):開花期に花房ごと収穫する。 |
収穫(実):花後、実が黒紫色に熟してから収穫。 |
生育環境
エルダーは日当たりの良い場所〜半日陰で育てることができ、やや湿った場所を好みます。また、風通しの良い場所を選ぶと病害虫の発生を抑えられます。
またエルダーフラワーは寒さに強い植物ですが、極寒地では冬季に根元にマルチング(わらや落ち葉を敷く)をして保護するのが安心です。
水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。特に苗の段階や乾燥した時期には土が乾ききる前に水を与えましょう。地植えの場合、通常は雨水で十分ですが、長期間雨が降らない場合は水やりが必要になります。
ただし、水はけが悪いと根腐れの原因になるため注意が必要です。
また、休眠期(12〜2月)には成長が止まるため、水やりは控えめにします。ただし、極端に乾燥しすぎないよう、土が完全に乾燥する前に少量の水を与えましょう。
土壌環境
排水性の良く、栄養豊富な土壌が最適です。植え込み時に腐葉土や堆肥を混ぜ込むと良いでしょう。
植え付け
植え付けの適した時期は春(3〜4月)または秋(9〜10月)です。この時期は根が活発に成長するため、新しい環境に定着しやすくなります。気温が安定しているため、暑さや寒さによるストレスを避けることができます。
肥料
エルダーに追肥は基本的に必要ありませんが、植え付け後3年間ほどの生育初期には、株を育てるために追肥を行いましょう。適期は春(3月)と秋(9月)の年2回です。緩効性肥料や堆肥を追加すると良いでしょう。ただし過剰な施肥は控えるようにします。
剪定
剪定の適期は冬の休眠期(12〜2月)です。古い枝や枯れた部分を切り戻し、風通しを良くすることで健康な成長を促します。樹形を整えるためにも適度な剪定が必要になります。
収穫[花・実]
花の収穫は5〜6月ごろの開花期が適期となります。花が完全に開いた時に花房ごとハサミで切り取って収穫します。花はすぐに利用するか乾燥させて保存ししょう。
果実の収穫は、花後、実が熟して黒紫色になったら適期となります。だいたい7〜9月ごろです。熟した果実は食用に適しますが、生の状態では有毒成分を含みますので、熟すまでしっかり待ちましょう。
最後に
今回はエルダーフラワー/セイヨウニワトコ(Elder[Sambucus nigura])についてご紹介しました。
エルダーについて質問や、実際に育ててみた感想などありましたら、気軽にコメントくださいね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵なハーバルライフを!
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